日本の教育制度の変遷により生じた歪とも言えるところを補い共存関係を保ってきた私的教育機関としての塾が、世間では相変わらずマイナスイメージ、極端な言い方をすれば「必要悪」とまで言われるような存在に捉えられているのはどうしてなんでしょうか。単に教育制度の移り変わりを知らないから、というだけでは片付けられないもっと根深いものがあるように思えてなりません。1970年代に話題となった「乱塾時代」と揶揄された塾への印象を未だぬぐえていない、という意見もあります。あるいは、小・中学校義務教育化に伴い、「教育はただ」で受けられる、という意識が根付いてしまったからでしょうか。その意識から、教育にお金を取って通っている塾は、人の足元を見て金儲けをしているところ、とでも思われているのでしょうか。あるいは、現代の多くのサービス業が行っている「サービス」は無料が当たり前、という世相のせいでしょうか。どうもそのような時代背景や業界の常識だけでは説明できないような気がしてなりません。これらは塾以外に原因を求める言い分であって、サービスを行っている塾にも何かあるのではと考えた時、塾イコール進学塾と言われる如く、塾は預かった子供たちを希望する学校へ進学させるという使命が何か起因していないだろうかというところに行きつきます。
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