現在、私立、国立の中高一貫校に通う子供たちはほぼ全員、塾に通っていた経験がある、と答えます。更に言うなら、有名校、難関校に通うような頭のいい子供たちでさえ、塾に行かずに一人で勉強して合格したという子供はほぼいません。稀に塾に行かなくても合格したという体験談もあるが、実際は母親や父親が中学受験を経験していて、家にいる間はつきっきりで教えていたり、教師や講師だったりという場合がほとんどなのです。
中学受験は非常に過酷だと言われています。小学生の頃から競争のために知識をつめこむなんてと批判されることがしばしばあります。しかし、その批判は的を射ているのでしょうか。そもそも中学の試験問題では、子供たちの知識だけでなく、それを整理し思考する能力も問うているのは今までにも述べた通りです。中学校側から考えたら当然のことで、知識だけ詰め込んでいても、それを活かすことの出来ない子供を入学させたくなるでしょうか。もちろん、そんなことはないでしょう。その活かす能力を子供たちがしっかり持っているかを確認するために、中学校側も入試の問題を考えて練って作っているのです。
もちろん、合格するため、特に難関校を狙う子供たちには、大量の知識が要求されます。しかし、それは例えばスポーツなどで体を思った通りに動かすために、筋トレをして体作りをすることと何ら変わりありません。ですから、知識の詰め込みは子供たちにとって悪いことだというのは極端な意見なのです。さらに言うなら、塾での勉強は、単なる知識の詰めこみだけでなく、自分の持っている知識を効率よく発揮したり、子供たちが習ったことに興味や関心を持つようになったりと工夫されているのです。これらは、大人になっても役に立つのは間違いないでしょう。