学習塾業界の市場の移り変わりを見てみると、誕生の導入期、個別指導が台頭した成長期、業界再編•価格競争に入った成熟期を辿って来ました。その先に待ち構えているのは、業界を縮小するフェーズ、もしくは新たなサービスや市場を掘り起こし再び導入するフェーズです。
塾予備校市場は一般的に一兆円弱の市場と言われています。学習塾は大人数で指導する「集団指導塾」、講師ひとりに対して生徒一人から数人を対象とする「個別指導塾」にわけられます。個別指導塾はフランチャイズ化されたビジネスモデルを採用している塾もあることから、近年、そのシェアを拡大してきました。個別指導の塾の中でも近年増えてきているのが、インターネットを活用したデジタル型の指導形態です。講師の数が少なく、動画を見て学習する形態のため、価格を下げることができることができるとともに、フランチャイズ化しやすい特徴があります。
塾業界は少子化のため、市場全体が縮小するという環境にさらされているため、経営力の有無によって、環境の変化に対応できるか否かが重要な分岐点となっています。学習塾において個別指導型のシェアは年々増加傾向にありますが、低資本開業を売りにする個別指導型フランチャイズの数は増え続けており、加盟者の争奪戦が激化しています。また、フランチャイズの種類も多様化しています。低年齢の幼児向け教育、英会話、そろばんなど様々な学習FCのパッケージが出てきています。
近年、増加傾向にあったフランチャイズ式の個別指導塾ですが、顧客のニーズの変化によって成長に陰りが見えて来ていることも確かです。個別指導塾は正社員の塾講師を雇うのではなく、大学生のアルバイトを雇うことにより、低価格化を実現しました。さらに近年は、映像予備校と呼ばれる予備校が誕生し、映像配信によって低価格のサービスを実現しています。多くの受験生が利用している映像予備校だが、近年無料の映像コンテンツがインターネット上にあふれており、差別化や付加価値化という課題も生じている。